info@news-japan.com
サイトの検索
 
経営者のためのIT導入
第一回
経営トップと IT投資
第二回
インターネットのインフラをどう考えるか?
第三回
ITインフラの最終的全体像
第四回
モバイル特集
コミュニケーション革命に
先手を打つ
第五回
企業情報ポータルを研究せよ
第六回
情報の共有化
第七回
営業と販促1
第八回
営業と販促2
第九回
人事教育
第十回
チェーン店管理
第十一回
ブロードバンド波及
第十二回
ネットは世界での販売を可能とするのか?
 
第三回 ITインフラの最終的全体像
第三回ITインフラの最終的全体像
 
UnitedStrategy Inc.CEO 大嶋成人


2月号では、「経営者のITの意思決定はマシンルームのアウトソーシング方針から始まる」としiDC(インターネットデータセンター)に焦点をあてた。そこで今回はその先にあるチェーンビジネスにおいて、達成すべきITインフラの最終的全体像を提言したい。



◆1 チェーンビジネスの基本的ITスタイル

上の図は、チェーンストアビジネスにおいてのこの2〜5年将来の基本的なITの構図である。 IT化というのは下記3点がトレンドとして現れる事になる。

・ トレンド1 本部WEB端末
本部ではイントラネット化が進み各種端末がWEBベースになる。 本部で利用されるマシンのアプリケーションは、エクセルやワード等デスクトップ製品を除けば、総務系の社員管理や資材管理からグループウェアまで、個別のマシンに依存しない形で、どこの場所でも同一のWEB端末の操作環境をイントラネットアプリケーションやASP(外部サーバーのアプリケーション)を通じて提供されるようになる。

WEBアプリケーションのメリット
アプリケーションがマシンに依存しなければ、マシンのコストダウンが容易になり、配置換えやリース交換にも業務上のトラブルがなくなる。従来のアプリケーションでは全社員の端末に同一の操作環境を与える為には、インストール+バージョンアップという様々な運営負荷がコストとしてかかっていた。ウェブベースなら、どの場所からでも指定アドレスにアクセスさせ、もしくはアプリケーションをダウンロードして操作させることになる。 何故このような考え方が有利かと言えば、ウェブ上からアクセス権限が与えられるアプリケーションであれば、外回りの営業マンや取引先に駐在している担当、全国の支店で、モバイル環境を通じても同一の操作環境を提供できる事になるからだ。またアプリケーション環境を、ある日一斉に刷新する事ができるという利点も大きい。

ウェブを通じた企業情報統合
さらに企業ポータルという概念へ進む。全社員が日常的に同一の社員向けのホームページにアクセスして、情報を共有化する。総務情報、営業情報、社長の訓示、危機管理に関する項目 を全社員に即時徹底させる上でも有益なのはもちろんだが、これまでのHPが一人の担当者が定期的情報をアップしていたのとは違い、企業ポータルでは全社員、取引先の端末から入力されたデータが一定のルールに従いリアルタイムに表示され情報を共有化することが可能となる。

・ トレンド2 IDC

2月号で特集したが,企業の基幹業務系のマシンルームを含めて、iDC(インターネットデータセンター)へのアウトソーシング化が進む。そのiDCは対チェーン店舗 対本部の統合的なマシンルームになる。これはトレンド1の現象の裏返しといってもいい。インターネットとWEB環境が一般化した結果、インターネットデータセンターに企業のアプリケーションやデータを置いたほうがコストも管理も有利である。本部とiDC(マシンルーム)の間の物理的な回線もまた非常に低コストになった為に現実的になったのである。

・ トレンド3 店舗のWEB端末
店舗の各種端末がウェブベースになる 全国店舗に対する本部のコントロールはチェーンビジネスにおいて最も大きなコストが発生する部位である。97年ころ大手石油元売が全国6000SSにPC(全機種統一)を配置して全国的な情報システムを構築したケースでは、アプリケーションのバージョンアップ費用だけでも膨大な費用が積算された。本部の思惑がはずれ、ほとんどの現場ではこのソフトを使いこなすことができなかった。  しかしこのようなリスクは、WEB上のアプリケーションであれば、使い勝手は即時変更が可能であるため発生しない。またPCの機種にも依存しない為、マシンコストや導入コストを圧倒的に軽減させる事が可能である。 店舗にWEB端末を配置する事で可能となる業務管理は多岐にわたるため今号では詳細にしないが、店舗の基幹業務系、スタッフの勤怠管理、本部報告系、在庫や売上、来店管理はもちろんの事、店舗ごとにHP領域を与える事などで店舗が自主的に地域向けのHPを展開させる事も可能である。


◆インフラの4つの検討

ITのインフラ提案は数あれど、今後のチェーストアのトレンドは先に述べたように、 本部ウェブ端末―IDC―店舗ウェブ端末 であると想定して間違いない。 そのITインフラ環境実現のトレンド上に、様々なEビジネスソリューションや施策アプリケーション、 モバイル、B2Bが加わってくるのである。そのIT基盤構築で検討すべきポイントは4つある。

検討1 本部とiDCの間の回線
セキュリティの高い回線が必要であるので、 従来であれば専用線になる。すると本部とiDC の距離も重要な要素になる。その結果、都市企業では都市部近距離のiDCが 選択される傾向にある。 しかし仮想の専用線を低コストで実現する通信技術、コスト改革の 分野は、近年急速に進歩している。セキュリ ティとしては不完全な公衆回線上に、仮想の 専用線を配置するVPN他、暗号などセキュ アなインターネット技術も発達してきた。

検討2 IDCの選定
2月号で特集したが、企業のマシンルームは24時間管理のアウトソーシング化が進むこの背景には、 Eビジネスデータと基幹情報の同期の必要性、 専用センターの低コスト化とインターネットによる本部との通信コストダウンの期待がある。

検討3 IDCと全国店舗の回線
各店舗よりプロバイダーを通じて常時接続契 しても月次2000円程度で実現できるが、常時接続が不要であれば、 KDDIの提供するDODなど、ダイアルアップ一本の契約で全国店舗に低コスト通信環境構築も可能である。

検討4 IDCと取引先や支店の回線
個別のケースに応じて様々な提案がある分野である。 公衆回線を使って、あたかも専用ネットワークであるように利用できる VPN (Virtual Private Network)をはじめ、 企業の拠点間通信に利用できるコストが安い仮想専用線サービスは様々な名前で各キャリアから提供されている。 この領域は、LANの構内通信品位を広域網に拡大 していく近年技術とコストの革新が活発である。

ドトールコーヒーの事例
チェーン店舗ビジネスでのITインフラ構築事例について最適な事例があったので紹介したい。ドトールコーヒーの事例だ。 同社は1000店舗を超える、急速な成長の中で店舗のシステムコストの予算は大きく膨らんだため、コスト削減を目的として、1999年までのSIへの完全な委託から、データセンター事業者へのアウトソーシングに方向転換を行った。 KDDIのiDC担当の鴨川氏は その背景をこう説明する。 「1000店舗のチェーン管理のシステムの障害は極力さけなければなりません。 KDDIと同等の、マシンルームのセキュリティを一般の会社が実現するのは不可能でしょう。 同時に、マシンルームに預けて運用は企業側が自由にしたい。現在のインターネット技術はリモート運用のセキュリティレベルが高いのです。」 このケースの特徴は、マシンルームのアウトソーシングiDCパートナーに通信キャリア会社を選択した事で店舗への通信戦略がインクルーズされた事だ。 「DODというダイアルアップサービスがあります。全国一律の通信料金 アナログでもISDNでも問わないアクセスラインであり、 専用線までは不要である全国チェーン店舗管理に最適なラインを用意した事が評価されました。」鴨川氏 ドトールコーヒーは、1000店舗の売上や受発注 店舗スタッフの勤怠や 取引業者との受発注データをiDCに移行している。同社は、いずれは本社系の基幹システムまでのIDCへのアウトソーシングを予定しているという。

2 E ビジネスのインフラ

前項では全社的なIT改革、基幹マシンルームを社外にアウトソースする際のIDCを中心に解説した。 本項ではE-ビジネスつまり顧客向けに、 Eショップやコンテンツ販売を活用するに際に適したiDCのポイントをあげたい。

ITで大事な事はコストである。
iDCは、24時間運営保守やセキュリティをサービス、強大なバックボーンを持っている。しかし対価が合わなければ意味がない、顧客がその環境や体制をどこまで享受できるかは、その対価と契約による。世界1のiDCと契約してもあなたの会社がその回線をどこまで利用できるかとは無関係である。高額な請求スタイルによって万年赤字IT事業になるかもしれないのだ。IT専門書にはコストを根拠にした実務的なiDC選択論が希薄である。

iDCコストはこのように考えてほしい。

・帯域代 ・場所代 ・保守運営代
この3つそれぞれの条件を組み合わせて、iDCと契約する事になるのだ。

(問題) 帯域をどの程度確保する?

 貴社は有名タレントを起用してE-ショップのオープニングイベントをするとしよう。 当然バックボーンの大きなiDCにサーバーを置いた。では貴社はiDC社からどの程度の帯域を確保すべきだろう? 帯域の請求は大まかに固定制と従量制がある。大抵は固定制だろう。 日本企業では予算策定慣習上変動性の予算を嫌う。 しかしアクセス数が予見できないコンシューマ向けIT事業の場合、結果として固定帯域では対応できないケースが多い。 上記の問題ケースでは、仮に10メガ(中規模標準)帯域の契約で年間600万円程度としよう。 しかしこのタレントを起用した数日間プロモーションは成功すればアクセスが集中する。 10メガであれば1次的にアクセスがいっぱいになる。ネット上の環境で行われる E-ビジネスではエンド・ユーザーがWebサイトにアクセスしている時に、 ネットワークの接続性に問題が生じると、サイトのイメージダウンが甚だしい。 貴社のIT担当者もまた、その責任感から、見積時点で予見される最大のアクセス帯域でiDCと契約する事となるだろう。 利用してない帯域分を確保してるのだからIT事業が赤字になるのは無理のない話なのである。  ではこの問題をどのように解決すべきだろう。 私は幾つかの方法論の中から世界有数のiDC社であるアバウネットの提供している 請求ルール(従量制+95%課金ルール)が現時点ではユーザに最も有利なルールではないかと考えている。

整理してみよう。

[課金システムが固定制の場合]
予想最大帯域分の契約をする必要がある。 もし、ビジネスが不調な場合でも、その帯域分の使用料を支払わなくてはならない。 また、実際にセール等のイベントをする際にどれだけのトラフィックが集中するか予想するのは困難。 例えば、10Mbpsの固定で契約し、11Mbpsのトラフィックが集中した場合は、 サイトに接続できないなど、エンド・ユーザーに深刻な影響が発生する。

[課金システムが従量制の場合]

使用した帯域分のみ課金される。 予想外のトラフィックの集中にも対応可能。その従量制料金を「95%ルール」で さらに上位5%時間分のトラフィックをカットするiDCもある。

<コンサート・音楽配信事業者A社事例>
急激なトラフィックの増加が見込まれるコンサート配信やセール等のイベントを行うA社の場合、従来は自社内サーバ及び固定制で課金する大手iDC等を利用していた。短期間のライブコンサートやイベントのために、ピークの最大アクセスに通信回線を対応させていたため、膨大な帯域コストが発生していた。

95%ルールの従量制で解決

下記の図を解説してみよう。 期間内でトラフィックが多いのは、イベントやCDの発売日という特殊な日である。当然プロモーションもするだろう。95%従量制とは トラフィックが多い時間順に並べ替えを行い、アクセス上位5%の時間を課金対象からカットした上で行う従量制課金である。この事例では約1.5日分が課金からカットされる。 つまり 固定課金のロスが無くなるだけではなく、プロモーション上の異常なピークの課金がカットされ安心して大規模プロモーションが打てるわけである。




iDC&ホスティング企業レポート
詳細 http://www.news-japan.com/it/idc/
ユナイテッドグループでは、日本を代表するIDC&ホスティングの優良企業の情報をレポートしています。


   (C) 2001 United Group. All rights reserved.